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口裂け女2のSameのレビュー・感想・評価

口裂け女2(2008年製作の映画)
3.4
これ、かなり良作ですよ!
パート2ですけど、愛すべきポンコツ映画だった1作目とはなんの関係もないので、こちらだけ見るのもありです。

とにかく話の流れに無理が無いんですよね。
スルスルと流れるように地獄に落ちていく一家が描かれます。
こんな酷い事あったら口裂け女になっちゃうよね!って思えちゃう。
登場人物たちは至極真っ当で善良な、よくいる田舎の人たちなんだけど、悲劇が積み重なっていく状況が人間性を変えていくんですね。怪談話的な悲劇の中で怨念を募らせて口裂け女へと変貌していくんですよ。
恨みを募らせた1人の少女が、超常現象的な怨霊か何かにシフトしていく様子が、こんなに自然に描かれた作品を僕は他に知りません。
しっかりグロ描写もあるし、バランスの取れた良質のホラーですね。
ひとつ難を言えば前半の青春パートをはじめとした日常パートがベタすぎるかなあ笑

【あらすじ】
1978年岐阜県。養鶏業を営む沢田家には父、母、結婚間近の長女幸子、美容師の夢を叶えた次女雪枝、高校の短距離の選手で、密かに同じ陸上部の先輩に憧れるごく普通の少女の、三女真弓が住んでいた。
家業も順調、長女の結婚式も盛大に行われ、次女も夢を叶え、三女の真弓も憧れの先輩といい雰囲気になって、幸せの真っ只中に沢田家はあった。
結婚式を終えたのちの夜、家を出た長女から引き継いだ部屋で眠っていた真弓の元に男が忍び寄り、顔に向かって硫酸をかけた。この男は長女の元交際相手で、逆恨みから家族に復讐に来たのだ。真弓の顔面を硫酸で焼き、母を刺殺した男だったが、父に銃殺される。
沢田家はこの事件を機に転落していくこととなる…

以下ネタバレ!











色々張った伏線もしっかり回収します。
口が裂けた理由、なぜ武器にハサミを使うのかとか、殺鼠剤は養鶏場に仕掛けてあり、使うことに無理が無いし、長女を追い詰めるときに真弓がダッシュで追いつくあたり陸上部のスプリンターという設定が生きています笑
決め台詞の「私綺麗?」も長女が結婚式の前に口にし、口裂け女と化した真弓が長女をめった刺しにした後に言うセリフでもあります。

口裂け女というタイトルにしては、少女が不幸になっていく物語部分が長すぎるので、これが辛いと思う人はいそう。不幸が次々降りかかってきても、真弓は健気に前を向こうとするんですよね。それを打ち砕いていく次の不幸。そしていよいよ耐えきれずに、別人格とも言える口裂け女が現れてくる。
個人的には全く飽きずに見られましたよ。
指切断をはじめ、それぞれのゴア描写もチープな昔ながらの手作り感があって笑、結構好きなテイストでした。

エンドロールで死者13人、負傷者52人とこの事件の概要が語られるんですが、いよいよ口裂け女となった真弓が無双する続編が見たいですね。
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