TAK44マグナム

口裂け女2のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

口裂け女2(2008年製作の映画)
3.6
あたし、キレイ?

数ある都市伝説の中でも古典的大スターといえば、口裂け女!
なんせ海を越えて韓国でも騒ぎになったぐらいですし、個人的にも口裂け女ブームはリアルタイムで体験したくちで、都市伝説といえばフリーメイソンか口裂け女じゃないかと!

大きなマスクで顔半分を隠した赤いコートの女が子供に問います。
「あたし、キレイ?」
キレイだと言うと、「これでも?」とマスクを外します。
すると、そこには頬まで裂けた口が!
キレイと答えても、キレイじゃないと答えても、結局は巨大なハサミで殺されてしまう・・・
それが口裂け女の噂です。

口裂け女ブーム当時は集団下校になったり、実際に警察が出動したりと騒ぎが起きました。
テレビで特集番組も組まれたし、口裂け女の漫画が載ってる!と知って、はじめてコロコロコミックを買ったのも懐かしい思い出。
友だちとの会話でも、「ポマード」と三回唱えると逃げだすだの、どうやら股裂け男と結婚したらしいだの、わけが分かりませんが口裂け女の話で賑やかでしたね。

本作は、そんな口裂け女がいかにして生まれたのかを描いた「口裂け女誕生譚」であります。
なので、噂の発信地と言う説が濃厚な岐阜県、そして70年代を舞台にしています。

主人公はJKの飛鳥凛。あまりメイクしていないのは70年代の岐阜いうことで田舎くさい素朴感を醸し出していて良いですね。
飛鳥凛は今度、ロマンポルノに挑戦するほどの女優さん!
本作でも口裂け女化してしまう宿命を背負うJKを真面目に演じているのが分かって良いですね。

飛鳥凛の姉役に川村ゆきえと岩佐真悠子。
彼女たちはメチャ酷い仕打ちをうけて、三姉妹を含む幸せ家族は雪崩式に一家崩壊しちゃいます!
やがて飛鳥凛は精神崩壊をおこし、ついに伝説の殺人鬼へと変貌してしまうのでした!

面白いのは、口裂け女の特徴に何かと理由づけしているところ。
例えば、口裂け女が何故、足が超速いのか?に対して、陸上部で大会に優勝するほどだったからというこたえを与えております。
それぐらいで100メートルを3秒で走れるって無理ありすぎですが(苦笑)。
他にも、何故、赤いコートを着ているのか?や、何故ポマードが嫌いなのか?などに、半ば強引ながら、ドラマを邪魔しないようにさりげなく説明しているのが微笑ましいです。

殺人鬼ホラーですけれど、主題が口裂け女のルーツなので、飛鳥凛がおかしくなるラストの方までホラーテイストは低め。
また、ゴア描写も控え目です。
けれども、美容師の岩佐真悠子が、まず指をチョンパされたり、川村ゆきえが殺害される場面では直接的な描写を避けて、背にしたシャッターにドスドスと穴があいてゆく・・・といった、演出的センスを大切にしたのが作品のカラーと合っている気がしました。
最後の最後に口が裂けるのも良かった。

しかし、これって一番怖いのは何と言っても長女の川村ゆきえですよ!
新たな守るべきものが出来たら、それまで守っていたものをいとも簡単に排除するんです。
焦った岩佐真悠子に見せた、ゆっきーの形相が恐ろしくて・・・・・
やっぱり、ゆっきーってそれなりに演技できるアイドルだと思うんですよね。でも、三十路過ぎても未だグラドルなんですよねえ。

ちなみに、実際に起きた事件を映画化したって説明されますけれど、口が裂けたJKが何十人も殺して消えた・・・なんて事件は当たり前ですが存在しませんので、あしからず〜!


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