垂直落下式サミング

バカ政ホラ政トッパ政の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

バカ政ホラ政トッパ政(1976年製作の映画)
2.5
東京は花の銀座を舞台に、生まれた場所は違うとも、骨は同じ銀座の地に埋めると、死ぬまで五分の付き合いを誓った「三政」ことバカ政・ホラ政・トッパ政の活躍を描く。
この頃、菅原文太は『新仁義なき戦い』に区切りをつけて、『県警対組織暴力』『トラック野郎』などで若い荒くれ役からぐっと年齢高めの役へのシフトをはかっていた時期であるため、本作のチンピラ演技には身が入っていない。彼のもとにあつまり義兄弟となる中山仁とケーシー高峰も、こういう無鉄砲な役をやるには少々オジサン過ぎる。そのためか、ストーリーの説得力が弱く、巨大な権力に振り回されては、奪われ利用され使い潰されてゆく若者たちの、孤独や疎外感があまりよく描けていない。
悲壮のシーンであるはずのラストも嫌に滑稽。画面をストップモーションさせて締め括るのはいいのだけど、決め絵的にみせるでもなくリズムも悪い。中島貞夫の駄作。