くもすけ

エクソシスト2のくもすけのネタバレレビュー・内容・結末

エクソシスト2(1977年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ドミニオンに続いて。10年前に見たときはよくわからなかったが今回は楽しく見られた。
オリジナルのキャストが抜け、ロケも断られ、脚本が書き直され、病気で撮影が中断する。ブレアは悪魔メイクを拒絶しボディダブルが使われた。神父の役はもっと若いフレッチャーと同年代が想定されていたがバートンに落ち着く。悪魔が彼を誘惑するのがあんまり説得力なさそうに見えたが、元のシナリオではもっと扇情的なものだったようだ。
世話人シャロンが今際の際に自らの過ち?を悔いるが、もとはバースティン演じる母親に言わせたかったセリフらしい。彼女が出演を拒絶し、撮影直前にリーガンの監督責任がシャロンに転嫁され、哀れシャロンは丸焦げに。映画だと信心についてのセリフにも聞こえる。関係ないがDCに向かい始めてからの字幕がよくわからん

結末はいくつかバージョンがあったようで、そこではラモントが死んだり、リーガンと逃げたりするようだ。
役者は皆よく、製作事情から生じたそっくりキャラや役割分散のせいでオリジナルのB面のような味わいがうまれているが、興行批評とも惨敗の結果に。

原案は男性役だったタスキン博士をフレッチャーが好演している。「カッコー」では首を絞められ、今作では危うく心臓を潰されそうになる。

バイオフィードバックでシンクロナイザーをつけた二人が同期するのが今作の見所。持ち運びもできちゃうすぐれもの。出会うなり通じ合ったラモントとリーガンが、タスキンを触媒にメリンの最期を看取り、次いで悪魔退治の業を聖人コクモに学ぶ。
遠隔地にあっても二人は共鳴し、ふらふら揺れるラモントの頭からアフリカの太陽が見え隠れすると、NYのリーガンの額が照らされる。

そして最大の見所イナゴ。アフリカとNYの空に浮かぶ不穏な黒い群れ。リーガンが翼を貸してやると、一匹のイナゴの正面・後背つけパンで空を飛び回れるようになる。リアルイナゴとは違う機械的な動きと撮影が格好いい。
地上を襲う群れは発泡スチロールを大量散布して撮ったようだ。一箇所リーガンの鼻に突き刺さって見える

チューブラー・ベルズには及ばないが、モリコーネの慎ましい音楽(の入れ方)も悪くない。タタタルタタ、タタルタタタいう独唱が気持ちいい。でこれまた10年ぶりに見返した74年第一作、音楽2箇所くらいしか入れてなかったのね