近本光司

蜘蛛の巣の近本光司のレビュー・感想・評価

蜘蛛の巣(1955年製作の映画)
3.5
いつも決まってキッチンでひとり食事を取っている妙に大人びた息子が不気味。ヒューマニストの仮面をかぶった父の内弁慶、その抑圧が垣間見えるようだ。カーテンの柄をどうするかという話をハナから尻までずっと続けてのまさかのオチ。しかし異様なまでの書き込み! 話の運び方がすごい。この時代のハリウッド映画にしかできない力技とスピード。名優ぞろい。グロリア・グラハムがひとりで出かけたコンサートのシーンがやけに心に残る。シネマテーク・フランセーズのミネリ特集にて。