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ゴースト・ドッグのyawaraのレビュー・感想・評価

ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)
3.9
ひとりの殺し屋の孤高な生き方を描く。

葉隠を信奉して忠義に生きる姿はまさに侍であり、同時にそういった存在が行き着く先も暗示する。
人の死=思想の死ではなく、思想は交流を通して引き継がれていくといったメッセージを強く押し出していて、終幕後の余韻はとても豊か。

作品のモチーフが殺し屋とはいえ、キャラクター各々がユーモラスで醸し出す物々しさをうまくコントロールしている印象。ちょっと噛み合わない会話が楽しいです。
その会話含め一貫して間を大事にしていて、特徴的なグルーブを作り出している。BGMも素晴らしく、監督の音楽に対しての造詣の深さが窺い知れる。
鳩とのやり取り、アニメに準える演出、キャラクターに通底する本への愛など、様々な工夫から独自固有な世界観が生まれています。

時系列としてはゴーストドッグが先ですが、ヒップホップと侍の取り合わせは過去に鑑賞したサムライチャンプルーを思い出しました。
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