いろどり

楽聖ベートーヴェンのいろどりのレビュー・感想・評価

楽聖ベートーヴェン(1936年製作の映画)
3.5
街のお店でも「第九」や「威風堂々」が流れるようになって、年の瀬の気分が盛り上がってきた。やっぱり感情を動かすのは音楽。年末は世界中で一番流れる?ベートーベンの伝記映画を鑑賞。でも第九はほとんど流れなかった😂

他の作品でもベートーベンは粗野に描かれることが多いけど今作のベートーベンもなかなか😅
若い教え子姉妹との恋愛がメインなのになんでおじさんなの。発表された曲からベートーベンの年齢を計算してみたら、30代の頃のベートーベンの話のはず。それなのに俳優はその2倍くらいの歳に見える。

耳が聴こえなくなったときの描写が秀逸だった。ベートーベンだけうなり声のような音が聴こえたり、鍵盤を叩いても何も聴こえない描写は「コーダ 愛のうた」と同じ。1936年トーキー黎明期にすでにその描写をしていたなんて。「ナポレオン」を観たとき思ったけど378分のサイレント映画を作ってしまうアベル・ガンスは職人気質とでもいうのか、オタクというか、道を突き詰めるタイプだと思う。ベートーベンの部屋にはバッハの肖像画が飾ってあったり、美術へのこだわりも感じた。

年の瀬の気分を盛り上げる映画ではなかったけれど、ベートーベンの曲が効果的に使われているのでベートーベン好きとして楽しく鑑賞できた。
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