紅梅シュプレヒコール

大誘拐 RAINBOW KIDSの紅梅シュプレヒコールのレビュー・感想・評価

大誘拐 RAINBOW KIDS(1991年製作の映画)
4.0
昭和を代表するエンタメの名手である岡本喜八監督が、天藤真の同名小説を映像化したエンターテイメント作品

大富豪のお婆さんを誘拐し、家族から身代金を強請る計画を立てていた3人組だったが、なぜか誘拐したお婆さんに主導権を握られていくという奇天烈な物語

物語、キャラクター、台詞のどれもがユーモラスで、最初から最後まで楽しく観ることができました

誘拐されたお婆さんが誘拐に加担するという設定がそもそも面白いですし、そこから展開される県警本部vsお婆さん&誘拐犯の知略を凝らしたシーソーゲームも見応えがありました

登場するどのキャラクターも魅力的に作られており、思わずふふっと笑ってしまうダイアローグの秀逸さも見所です

誘拐という大犯罪をテーマにしていながら、徹頭徹尾不快感なく物語を進めていき、気持ちの良い結末で着地させているのには感心させられました

もともとの原作の面白さ、岡本喜八の演出力、役者の演技が相乗し、老若男女問わず楽しめる一作に仕上がっていますので未見の方には是非観てほしいです