鎖園

陽炎座の鎖園のネタバレレビュー・内容・結末

陽炎座(1981年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

再観/

大楠道代でもなく楠田枝里子でももちろんなく

『加賀まりこ』だからなんとか持ち堪えられる映画

と言うか

『絵巻』


数年前ユーロスペースで鈴木清順大正浪漫三部作デジタルリマスター特別上映での初見だったが

アン時は『鈴木清順』名前負けしてる自分がいて

あ〜〜なんとなく「雰囲気」だけ掴まえリャいいや

みたいな

ほぼ『映画館』と称した「仮眠所」と化したわけだけど


今回もう一回観たら

「なんとなく会話があって・・」

「そこから人物が動き」



漠然とした

物語感はあって


よく咀嚼していけばそれなりの『骨格』はあるのかもしれない

というのは

発見だった

ただ・・

どこの感想、レビュー読んでも

誰も触れてない(笑)


「超難解」「アート系」「考えるより感じろ」(爆)


難解系によく見るブルース・リー墜ちな感想が多い


だけど今観ると「現実/夢」「此岸/彼岸」を描くにしても八十年代のチャッちぃさが漂っていて『鈴木清順』と云う奇才監督が創ったとしてもその【粗】が目立つように思った・・




あのパプリカを観た後では。。。




『実写』と『アニメ』では「比較するだけバカ!」「ナンセンス」と思われるかもしれないが

同じ『パラレル』を描くと云う点で、「映画館で観る」と云う点で一緒




『絵巻』である横スクロールで怠惰に動く陽炎座

と違い

「洪水」であろう如くイマジネーションのリリースを観客に向けて【射精】して魅せた今敏の

“潔さ”と“覚悟”



映画界で誰もやったことがない(であろう)

「二次元横スクロールから三次元縦ソリッド」への【放水】

であり

観客への挑戦でもある




鈴木清順の描く
       >『パラレル』
今敏の描く

の違いはここにある


圧倒的即射!!!筆力ダイナミズム「だけで」一気に乗り切ろうとする!

パプリカを魅せつけられた今


鈴木清順の語る「此岸/彼岸」が【陳腐】にしか思えない

ただ絶世期の「加賀まりこ」を愛でる映画・・・
鎖園

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