このレビューはネタバレを含みます
再観/
大楠道代でもなく楠田枝里子でももちろんなく
『加賀まりこ』だからなんとか持ち堪えられる映画
と言うか
『絵巻』
数年前ユーロスペースで鈴木清順大正浪漫三部作デジタルリマスター特別上映での初見だったが
アン時は『鈴木清順』名前負けしてる自分がいて
あ〜〜なんとなく「雰囲気」だけ掴まえリャいいや
みたいな
ほぼ『映画館』と称した「仮眠所」と化したわけだけど
今回もう一回観たら
「なんとなく会話があって・・」
「そこから人物が動き」
な
漠然とした
物語感はあって
よく咀嚼していけばそれなりの『骨格』はあるのかもしれない
というのは
発見だった
ただ・・
どこの感想、レビュー読んでも
誰も触れてない(笑)
「超難解」「アート系」「考えるより感じろ」(爆)
難解系によく見るブルース・リー墜ちな感想が多い
だけど今観ると「現実/夢」「此岸/彼岸」を描くにしても八十年代のチャッちぃさが漂っていて『鈴木清順』と云う奇才監督が創ったとしてもその【粗】が目立つように思った・・
あのパプリカを観た後では。。。
『実写』と『アニメ』では「比較するだけバカ!」「ナンセンス」と思われるかもしれないが
同じ『パラレル』を描くと云う点で、「映画館で観る」と云う点で一緒
『絵巻』である横スクロールで怠惰に動く陽炎座
と違い
「洪水」であろう如くイマジネーションのリリースを観客に向けて【射精】して魅せた今敏の
“潔さ”と“覚悟”
は
映画界で誰もやったことがない(であろう)
「二次元横スクロールから三次元縦ソリッド」への【放水】
であり
観客への挑戦でもある
鈴木清順の描く
>『パラレル』
今敏の描く
の違いはここにある
圧倒的即射!!!筆力ダイナミズム「だけで」一気に乗り切ろうとする!
パプリカを魅せつけられた今
鈴木清順の語る「此岸/彼岸」が【陳腐】にしか思えない
ただ絶世期の「加賀まりこ」を愛でる映画・・・