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陽炎座のkensyoのレビュー・感想・評価

陽炎座(1981年製作の映画)
1.6
行きたくもない親戚の家に連れて行かれて、おじいちゃんの自慢話をずっと正座で聞かされてるみたいな苦痛に苛まれた2時間半だった…。

「難解なストーリーと映像美で、鈴木清順監督の最高峰と言われる作品」っていうだけの知識で見たので、美しさを期待してしまったけど、これ、美しいですか…?

前作「ツィゴイネルワイゼン」では美しさを感じることができたけど、今作では全然でした。
自分のセンスが破壊されてるのか。

あの、冗談みたいな金髪と碧眼の色、子供たちがやってる劇の怠さと騒音みたいな声、短いカットインとループの表現、水中に沈む女優さんの鼻から出てる泡、のっぺりしたライティング…本当に美しいですか?
申し訳ない気がするけれど、美しいというより汚くないですか…?

時代からくる美意識の差、撮影技術の限界、個人的な好み、見ている僕のセンスのなさ、とか色々あると思うんですが、それらを適切に差し引けば美しくなる…ととても思えなくて。

日本の伝説的俳優!松田優作!初体験!だったんですけれど、それも僕はダメだった…。
フィルムの中で見せるわざとらしい表情、コントみたいな身体の動かし方、清潔感のない棒読みの話し方、後この映画の中での冗談みたいな髪型と髭も、全部が見ていて苦痛だった。本当に合わなかった…。辛い…辛いと思いながら見てた。

繋がりがあるのかは分からないですけれど、北野武監督の「Dolls」を少し思い出しました。

「大正浪漫三部作」後学のためにも一通りは見ようと思ってたけど、これは挫けるかも…。
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