このレビューはネタバレを含みます
一つ一つの画が美しくて、どれだけ凝って作られたのだろう?と驚いた。特に美しくて好きだったのが冒頭の品子が花束を持って現れ花弁の舞うシーン、ラストの松崎の前で舞台が崩れゆくシーン、品子の沈む水面を鬼灯が覆い尽くしてゆくシーン…。見る度に好きなシーンが増えそうだ。
まるで夢を見ているかのような映画でとても楽しかった。BGMが静かで、映像に吸い込まれるような気持ちにもなった。あまりに静かで、台詞の意味が分かりにくいので疲れもたたって寝そうになることもしばしば…。でもなんとか美しいこの映画を最後まで見届けたいと必死になった。
ミステリアスなストーリーで、効果音も少しホラーやミステリー的に感じ、そこも好きだった。ポニュ(?)みたいなユニークな効果音もあった。何の音だったんだろう。
後半は背景にあざやかで美しい無残絵が大きく映し出され、グロテスクな奇抜さもとても魅力的だった。
俳優も美しく、初めて見る松田優作はあまりに背丈が高く見えた…どのくらいだったんだろう。女優陣の眩い美しさ…。所作も話し方も可愛らしく色っぽくて素晴らしかった。
見所が多すぎて1度では足りない。トークショーで幾原監督も何度もご覧になってるとお話しされていた。監督も仰るようにスルメのように楽しめそうな映画だ。