喧嘩の美点は仲直りができること

陽炎座の喧嘩の美点は仲直りができることのレビュー・感想・評価

陽炎座(1981年製作の映画)
5.0
人の業、陰のある情念、愛情の裏返しとしての恨み、こうした仄暗さが美しく描き出されていました。江戸川乱歩や夢野久作など大正時代の耽美的な文学の美学を感じさせます。
人間の負の側面を芸術的に描くことで、逃れ難い人の業のようなマイナスを人間的、肯定的に捉え直そうとする力強さがありました。
道化ていながらも美しく、悲劇的でありながらも喜劇的、観るものを幻惑するパノラマ的映画です。