むるそー

陽炎座のむるそーのレビュー・感想・評価

陽炎座(1981年製作の映画)
4.6
劇作家の松崎春狐は、どこか儚げで浮世離れした美しい女性・品子と出会い、一夜を共にする。品子の幻影を追い求めるうちに、どうやら品子は松崎のパトロンの玉脇の妻なのでは、という仮説に辿り着く。そこに品子に瓜二つで玉脇の妻だと自称する女性・イネも加わり、4人の歪んだ関係は金沢の地で終着する。

この世とあの世の境目のような、幻想的な空間を陰のある情念たっぷりに描く。ジャパニーズホラーのような、岸田劉生の絵画のような、どこかに引き込まれてしまうほどの妖しげな美しさを放っている耽美的な作品で、個人的にドン刺さりしてしまった。
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