Ginny

陽炎座のGinnyのレビュー・感想・評価

陽炎座(1981年製作の映画)
2.0
学がなくて大変申し訳ないのですが…。
この映画を楽しみ理解し評価できる器を私は持ち合わせていないようです。

映画が始まったときは、「文学」を感じました。
泉鏡花は大学の時に授業で触れたことがあります。
恐ろしさの中に美しさがあり独特の世界観をもっていて気難しいと感じた気がします。
私がその時惹かれていたのは太宰治で、授業で多く触れたのは夏目漱石でした。

大雑把にくくっていいのであれば、そんな近代文学の物語の進み方、話し方、場面転換の仕方、それらを彷彿とさせるもので、「文学」を映像で感じることができて、その点は面白かったです。

ただ、映画は複雑で。
泉鏡花の世界に、映画監督のフィルターをかけてより複雑に、となっているように感じられ、これは本を読んだほうが良い、若しくは本を読んでから映画を見たほうが楽しめるのではないかと思い、離れた心は中々戻らず、映画を楽しみ切れませんでした。

それでも終始松田優作の佇まいには惹かれました。
この人がかの有名な松田優作ですか。
私、はじめて見ました。

とってもかっこいいですね。

立っているだけで絵になる。外見的要素がかっこいいから絵になるのではなく、放つオーラ、存在感が映画の中で活きている。
昔の日本の俳優ってすごいなあとしみじみ感じるこの頃です。

泉鏡花の授業がわからなかったのは、
ちょっとその担当の教授が風変りな人であったのもあって。
でもその人は熱心に泉鏡花を研究していて。
わかりえない人が好きなものはわからないかも、と
その時点で心の距離を置いていたのかもなあと昔を振り返って思いました。
Ginny

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