いかちき

家族の肖像のいかちきのネタバレレビュー・内容・結末

家族の肖像(1974年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

家族の団欒を描いた絵画に囲まれてアパルトマンで暮らす教授。
そこへ2階を間借りしたいとエキセントリックな人たちが現れたら私だって断る。
でもそこへヘルムート・バーガーが加わったらそりゃ迷う。
とにかくヘルムートが美しすぎる。しかも知的なのに危険な香りしかしない。怪しいと分かっていても惹かれる。

たぶん何回も観た映画なんだけど、今観ると教授の気持ちが痛いほど分かる。
誰かと共に暮らしたい。見守り助けたい。それを家族と呼べたなら。
たとえ絵画に描かれた家族のようになごやかでなくても。

18世紀の絵画と膨大な本に囲まれた重厚な教授の部屋と、モダンなインテリアと抽象画を飾った間借り人たちの部屋の対比がおもしろい。
あれはマーク・ロスコかな。

教授役のバート・ランカスターの甲斐甲斐しさが悲哀ではなく楽しんでいるように見えるのが良かった。
ビアンカ役のシルヴァーナ・マンガーノは圧倒的だし、クラウディア・カルディナーレとヴィスコンティレギュラーもいいけどドミニク・サンダが出ていたんだ!忘れていた。
とにかくヘルムートが毛皮を毛布にしているのとか、ソファーにふんぞりかえるところとか、でっかいバスタオルにくるまるところとか、蝋燭でタバコに火を着けるところとか全部必見!!
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