不死鳥の川

家族の肖像の不死鳥の川のレビュー・感想・評価

家族の肖像(1974年製作の映画)
3.7
ひとり静かに暮らす大学教授が、上階に間借りした女性とその仲間たちの騒々しさに乱されながらも失いかけていたものを取り戻していくドラマ映画。

2023年48本目。

イタリアの巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督の後期の代表作です。間借りした女性ビアンカが好き放題する序盤は悪趣味なコメディかと思うような描写が続くのですが、なるほどそういうテーマなのねと気付いた辺りから切なさがしみじみと胸に染み渡り始めます。孤独と家族について、よく考えるきっかけを与えてくれそうです。

よく出来た作品であるのは間違いなく、構成としてはきれいなのですが、途中少し退屈してしまうところもありました。それでも独特の映像的な煌びやかさと、コンラッドを演じるヘルムート・バーガーのハッとする美しさには終始目を見張るものがありました。
不死鳥の川

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