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ミミックのcamusonのレビュー・感想・評価

ミミック(1997年製作の映画)
2.5
ミミックと言えば、RPGでは定番の宝箱に化けたモンスターを思い浮かべますが、
本作はちょっと違います。
ミミックの元々の意味は“擬態”だそうで、擬態能力を持つ化け物の話です。

ゴキブリを媒介とした感染症が流行り、多くの子供の命が失われる中、
美人過ぎる生物学者の主人公は、
サムライアリとカマキリを遺伝子操作によって掛け合わせることで、
ゴキブリの天敵となる新たな生物を創り出し、
見事、感染症の鎮圧に成功。
そして、生殖能力を持たない新生物は、一代限りで絶滅するはずだった・・・

だがしかし、実は繁殖してて、モンスター化して、人を襲っちゃうよと言う話。

いわゆる一般名詞の「バイオハザード」によるパニックもので、
ストーリーや設定に新しいアイディアは殆ど見られません。
そして、いわゆる固有名詞の、サバイバルホラービデオゲームの
「バイオハザード」ライクな絵作りだなと思いました。
背景映像の作り込みはなかなかクオリティが高いと思いました。

その一方で、モンスター化したグロテスクな生物を、
必要以上に、ヌラヌラ、ギトギト、ベトベト、ネバネバに表現しすぎていて、
リアリティが損なわれていると感じました。
そのような表現自体「エイリアン」あたりの系譜の延長で新しさが感じられないし、
落ち着いたリアリティのある背景に対して浮いてしまっているしで、
ちょっともったいないなと思いました。。

で、一番スッキリしないのが、タイトルにもなっているミミック=擬態についてです。
擬態をする意味がまったくないのですよ。
こんな最強最悪生物が、
完璧ならまだしも中途半端な擬態を行う必然性がまったくないのですよ。
う~ん。

中途半端な擬態の形態は、進化の過程としてはあり得るのですが、
重要なのは、進化の過程の中途半端な擬態状態でも常に連続的に有利であるかどうかです。
で、本作品の場合、中途半端に擬態対象に似ることが、
有利になるどころか、不利になると考えられるのですよね。
擬態対象が他の生物とはまったく異なり、
似ているけど異なるものにやたら敏感という性質がありますので。不気味の谷じゃないですが。
何故、他の生物や非生物が擬態対象にならなかったのかと言うことになってしまいます。
強すぎて擬態する必要が無いと言うことをさておいても違和感があります。
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