nagarebosi

ゴッドファーザーPART IIのnagarebosiのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
5.0
まさに圧巻!傑作!素晴らしい!

よく映画は総合芸術と云われますが、本作は本当に全てが完璧で、まさに総合芸術と云う言葉がぴったりだと思いました。

前作より格段にアップした予算を惜し気もなく使い、当時の雰囲気や空気感をまるで絵画のように描出した作りだけでも必見。編集、音響、音楽も計算され尽くした作り。
なにより脚本が抜群に巧く構成され、父の若き頃と現在の自分とをシンクロさせる展開は対比させることで、却ってマイケルの孤独感をじっくり観客にも味わせ苦悩や葛藤が手に取るように感じさせてくれます。策略を張り巡らし人望を集める若きヴィトとは反対に冷酷さを増していくマイケル。二人はファミリーを守るという同じ気持ちのはずなのに何故か違った方向に向かってしまうという対比。
これをアル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロを含めキャスト全員が前半に続き好演、名演。
後半、兄フレドとの確執やコニーの赦し、トムとの関係性など兄弟だからこその感情は共鳴してしまいました。
ケイの決断は相当だっただろうし、マイケルを恐ろしいと思う気持ちは痛いほど伝わります。大切な者を失ってでもファミリーを守り権力を持ち、そうして残されたのは寂しさや虚しさだけ…、という皮肉な人生。

やはり、本作は前作を越えた珍しい続編。

アル・ネリ役のリチャード・ブライトさん、太ったなあ、「レッド・ブル」や「~PART3」では痩せてたけど。