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ゴッドファーザーPART IIのIDEAコメント休止中のレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
4.3
コルレオーネの愛の物語、再び----。

裏社会の実権を手中に収めた後のマイケル・コルレオーネの人生と、父ヴィトー・コルレオーネがファミリーを作り上げるまでの人生を2本柱で描き、200分の超長尺ながら巧みな構成で全く飽きさせず。

前作で人生の絶頂期に上り詰めたマイケルだが、今作で描かれるのは一番大切なものだけは手に入らない悲哀の日々。
ファミリーを愛しファミリーのために生きるマイケルたが、想いは上手く伝わらず、すれ違いから悲劇が次々と…。
若き日の父ヴィトーが輝かしい時に向けて歩むストーリーが随所に挟まれるのに対して、マイケルの人生は落日の時が近づく。
この対比が実に見事である。

父の跡を継ぐべくハートに火をつけた前作とは違い今作の核は思い通りにいかない苦悩であり、マイケルのパートではそれはそれは空虚な雰囲気が漂い盛者必衰の無常感を思わせる。

前作のラストで見せた自信と野心、そして愛に満ちあふれたマイケルは何処へ行ったのだろうか。
今作のラスト、映し出されたマイケルの瞳には虚しさが暗い影を落としていたのである。


愛を与えても愛が返ってくるとは限らない。
たとえそれが家族でも。
私が愛しているのだから、あなたも私の愛に応えるべきだ…という理想が、悲しく人生を壊してゆくのである。

マイケル・コルレオーネの運命の物語は最終章へ続く…。