Mariko

ゴッドファーザーPART IIのMarikoのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
4.5
過日の1に続き、こちらも数十年ぶりに鑑賞。1よりもっとだな、たぶん。
あそこまで完璧な1作目の後に、この完成度の2作目というのは映画史上奇跡といっても良い存在なのでは。

この美しさはなんだ!と言いたくなる美術と音楽の勝利。
いや、脚本・俳優が素晴らしいのはもちろんなのだけど、昔観た時以上にその芸術的美に圧倒されたというか。

ヴィトー亡きあとコルレオーネ・ファミリーを継承したマイケルのその後と、若きヴィトーがどうやってドンとしてのし上がって行ったか、の2つのストーリーが交錯しながら描かれるわけだけど、この父子の対比の描き方に一役も二役もかっているのが、美術であり音楽。画面のトーンと音楽の音色や調性の変化だけで、不穏な空気を演出する見事さよ。
特にヴィトーパートのセピア色で描かれるリトルイタリーの味わいが素晴らしく、若きデ・ニーロがどハマり、そこにニーノ・ロータの哀愁のメロディが来るんだからもう。普通に考えたら、1作目であそこまでの存在感を放ったマーロン・ブランドの若き頃を誰が演じられようか、、なのに、そのハードルを軽々と超えたデ・ニーロ、徹底した役作りはここから始まっていたのか。
そして、その暖かみのある背景で見せられるヴィトーは、脅しでも殺しでも人々に尊敬されありがたがられる存在だったのに、後のマイケルは同じことをしてどんどん孤独に陥り、いわゆる闇落ちした存在になってしまう、このコントラスト!

フレドーの最期からの回想シーンにはもう泣くしかないのだけど、これまた『鎌倉殿』を思い出してしまった...(いや、当たり前だけど逆なのよ笑)。
Mariko

Mariko