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ゴッドファーザーPART IIのよーだ育休中のレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
4.0
1901年。シチリアのコルレオーネ村でマフィアの首領に目をつけられた家族が皆殺しにされる。唯一逃げのびた幼い少年は、移民船に乗ってアメリカへ亡命する。
1958年。偉大な父親からファミリーを継いだ三男は、内憂外患に陥る中それでもファミリーを守ろうと『敵』と戦う決意を固める。


Grim Come out to
Grinning Socialize~♩.•
Ghosts † ‎〜𐭜 ᜊ°ཫ° )ᜊ
† ┏┛R.I.P┗┓ †

(^ΦωΦ^ o[ テイタートッツを食べてみ隊 ]o


◆ Your father loves you very much.

イタリア系マフィアの栄枯盛衰をエモーショナルに描き大ヒットを博した一大叙事詩の第二幕。Mario PuzoとFrancis Ford Copplaのタッグが続投し、前作を凌ぐスケールの続編に仕上がっていました。

偉大な首領Vito Corleone(Marlon Brando)よりイタリア系マフィア《コルレオーネ・ファミリー》の首領の座を受け継ぎ、ニューヨークからベガスへとその拠点を移した二代目首領Michael Corleone(Al Pacino)が抱える苦悩と葛藤が描かれる現代パート。そして若き日のVito(Robert De Niro)が如何にしてシチリアからアメリカへと渡り、ニューヨークの暗黒街を牛耳るゴッドファーザーとなるに至ったのかが描かれる過去パートが交互に織り混ぜられて物語は進みます。

単に前作の後日譚と前日譚を描くだけではなく、物語が交互に進展していくことによってVitoとMichaelの決定的な違いが露になるような構成となっています。また、過去パートでは序盤と終盤に似たカットが映されていました。場所は同じでしたが、幼少期のシークエンスでは夜明け前、青年期のシークエンスでは昼日中であり、Coppola監督の画作りに対する拘りのようなものも感じられます。


◆ All our people are businessman.
ーTheir loyalty's based on that.

子供のハレの舞台の裏側で「仕事」の話をしている父親という前作と同じシチュエーションから幕を開けた後日譚。上院議員や、ニューヨークのシマを取り仕切る組織の一員らを相手に上手く立ち回ることが出来ていないようでした。それどころか、実の家族である妹のConnie(Talia Shire)や妻のKay(Diane Keaton)との関係にも歪みを抱えている様に映ります。そんな現首領の姿は、先代の姿とはかけ離れています。

壮年のVitoと同じことをするには、青年のMichaelにはまだ早かったのか。そういうことでは無いのだと、前日譚のVitoの姿が語っています。頭が良く、カリスマ性も持ち合わせた両名でしたが、二代目のMichaelに求心力が足りない事は年齢の差ではなく考え方(価値基準)の差であることが明白でした。

何よりも義理と人情を重んじ「相手の立場に立って考える」ことで、自分に不利益な決断をせざるを得なかった相手に対しても「気にする事はない。今まで良くしてくれてありがとう。」と労りと感謝の言葉を伝えるVito。そんな父親からの「相手の立場を考えなさい」という金言を「仲間と言っても損得である」と解釈してしまったのが資本主義経済を学んできたMichael。経済的合理性に重きを置く彼が下す決断は時としてあまりにも冷酷で非情なものでした。

マフィアという家業を忌避していたMichaelだからこそ、おそらく彼が元々持っていたのであろうマフィアに対する反社会的で冷酷なイメージを自ら体現してしまっているようでした。ゴッドファーザーとしてのVitoの立ち居振る舞いをもっと傍で見て肌で感じることが出来ていれば、Michaelの運命も変わっていたのかもしれません。ここにおいても、マリオネットを模したタイトルロゴの皮肉さを感じずにはいられません。


◆ I know it was you Fred.
You broke my heart! You broke my heart!

今作において印象的であったのが、Michaelの兄であるFredo Corleone(Jhon Cazale)というキャラクター。偉大なマフィアであるVito Corleoneの次男でありながら、気弱で争いごとを好まない矮小な男として前作ではあまり目立って描かれてはいませんでした。

そんな彼が今作では自分の不甲斐なさを嘆いて行動を起こします。弟のMichaelに対する兄としてのプライドからの行動だったのでしょうが、結果として彼自身も知らぬ間にコルレオーネ・ファミリーをよく思わない勢力に利用されてしまい、ファミリーを危険に晒してしまいます。

脇が甘く頭の回転も鈍いFredは、自らの失言によってMichaelに謀反の証拠を差し出し、彼の逆鱗に触れる事となってしまいました。哀れな道化は、Michaelの「母親への恩情」によって生かされ、それと知らぬ間に粛清されてしまいます。過激な結末であったと思いますが、だからこそVitoとMichaelの対比が浮き彫りにされるのです。守るべき家族に不和を生み出し、自らの手で分断してしまった二代目首領には、最早ゴッドファーザーの面影はありません。


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Dear.クラリスちゃん

長かった!長いけど、見応えがあったね!
前日譚と後日譚を一度に楽しめるだけじゃなくて、前作を凌ぐ重厚なストーリーに仕立てる構成も見事だった( ੭˙꒳ ˙)੭!!

ただ、やっぱり長かった(๑° ꒳ °๑)