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ゴッドファーザーPART IIのEyesworthのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
5.0
【20世紀最高の作品】

巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督の傑作マフィアシリーズ3部作の2作目。

〈あらすじ〉
この作品は2つの異なる時代を生きたコルレオーネ親子の実像を交互に描き出す。
過去では、若きビトー・コルレオーネをロバート・デ・ニーロが演じ、凄みのある声色でこれでもかというほどドンの発芽を印象づけ、そして前作では明かされなかったファミリーの始まりが物語られる。
現代では、アル・パチーノ演じる三男のマイケル・コルレオーネが偉大なるゴッドファーザーの跡を継ぎファミリーのドンとなる。ラスベガスに拠点を移し、幾多の政敵と争いながらビジネスを成功させ、強大な組織へと成長していく様を描く。一方で"ファミリー"を優先するあまり"家族"を蔑ろにした結果妻ケイの心が離れ、ある悲劇が起こってしまう。

〈所感〉
凄すぎる映画。言葉にするのも躊躇ってしまう程だ。父の遺志を継ぎ、覚悟を決めて血で血を洗うマフィアの世界を選んだマイケルだったが、そこはあまりにも過酷で、公私でのオンオフの切り替えすらできないほど表情にも心にもドンとしての冷酷な顔が染み込んでいたのだろう。それは、家族の前では一人の優しき父として振舞っていたビトーとは隔絶たる違いだった。ラストシーンの賑やかな父の誕生日パーティと今の孤独なマイケルの対比があまりにも寂しく切ない。演出、エキストラや舞台設計など細かい作りから監督のこの作品に対する並々ならぬこだわりを感じる。それが3時間20分という長時間の尺以上に質量のある重厚なフィルムを生み出した。1975年の作品にして最高級の映像美と面白さを享受できる伝説的映画だと思う。
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