ドスティ

ゴッドファーザーPART IIのドスティのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
4.2
続編にして傑作と名高いけど、個人的には前作ほど引き込まれなかった。

家族の為に成り上がっていくヴィトーの青年時代と権力を手にしながら家族を失っていくマイケルの現在を交互に描き鮮やかに対比する演出は秀逸だし、サン・ジェナーロ祭のシーンは圧巻。

幼い頃一人で移民船に乗ってNYへ渡り弱者には優しく尊敬を集めた父と、アメリカ人なのにイタリア野郎と差別され昔のやり方は通用しない時代の変化に順応すべく非情で冷酷な息子。
ラストの回想とアル・パチーノの虚ろな表情が切ない。

ロバート・デ・ニーロは好きじゃないけど、素晴らしい演技だった!
ヴィトーの人の上に立つ器である説得力とカリスマ性が凄かった。

ブルーノ・カービー演じる若きクレメンザがよく食べてて、太る未来を予感させ可愛い。
ソニーは子供の時から暴力的。
愚かな次男ジョン・カザールの絶妙な小物感よ…。

ザ・映画的なダイナミズムに溢れたフィクションである前作に比べ、続編にはかなり現実が盛り込まれたらしい。

マフィアという組織よりあくまで家族の物語だった前作の方が好みだけど、決してギャング礼賛に陥らず、マフィアの怖さや綺麗事じゃない冷徹なビジネスという面を強調し人間性を失う姿を描いたコッポラは改めて凄い。
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