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ゴッドファーザーPART IIのマッサージ屋のレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
5.0
父ビトからファミリーを受け継いだドン・マイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)はラスベガスを牛耳る為に拠点をニューヨークからネバダ州に移していた。
息子アンソニーの聖餐式パーティー後の夜、寝室で妻ケイ(ダイアン・キートン)と居るところを機関銃で襲撃を受けてしまう。
間一髪無傷だったがマイケルは黒幕はラスベガスの縄張りを巡り対抗しているロサト兄弟だと踏み、彼らのボスであるハイマン・ロス(リー・ストラスバーグ)に会うが・・・。

コレも時系列に沿った“テレビ編集版”は見ましたが、単独で見るのは初めてです。
前作後のストーリーとマイケルの父親ビトのイタリアからアメリカに渡ったきっかけやマフィアにのし上がる様など前日譚を同時進行に描いているいます。
この為難解だというレビューなどもよく目にしますね。

それ抜きにしてもこのシリーズは前作もそうですが登場人物が多いし、水面下の裏切りなどがあるので人物相関を把握してないとわけが分からなくなるかも(笑)
私もちょこちょこ一時停止して「クレメンザって誰だっけ?!」みたいな感じで確認しながら鑑賞しました(笑)
まぁそこを完全に理解してなくても終盤にかけての悲劇はとても複雑な気持ちにさせられます。

ドンとして仕切る事の難しさを若きマイケルは痛いほど身につまされてるわけですよねぇ。
オヤジが偉大過ぎるがゆえというか。
パワーバランスを保つ為に血の粛清をせざるを得ないという葛藤がラストシーンに集約されています。

それと妻ケイとの関係が大きなポイント。
堅気に戻るという約束をマイケルがちっとも果たさない事から苛立ちが募り、溝が深まっていくわけです。
家庭を大切にしたいが為にマフィアとしてパワーを保たなければいけない葛藤が一人の男として見ると非常に辛いものがあります。

ロバート・デ・ニーロ演じる前日譚もなかなか見応えはあるし、今作は前作に劣らないくらい深い物語ですね。