KANA

ハーフ・ア・チャンスのKANAのレビュー・感想・評価

ハーフ・ア・チャンス(1998年製作の映画)
3.8

ベルモンド&アラン・ドロンの『ボルサリーノ』以来28年ぶりの共演
+ヴァネッサ・パラディ。

20歳にして高級車窃盗犯のアリス(ヴァネッサ)は出所後、母親が残した「20年前に同時に愛した2人の男のどちらかが自分の父親」という遺言に従って2人を訪ねる。
突如現れた娘に2人は戸惑うが、マフィアから狙われる娘のため体を張ることに。

漫画みたいなストーリーは二の次として、
とにかく初老のベベルとドロンが同じ画面に収まって楽しく演じてるのを見れるだけで満足!
60代といえども御二方とも大人の余裕を感じられてすごくカッコイイ。
老いぼれネタで自虐もご愛嬌。

始めこそ自分が本当の父親だと小競り合いするものの、vsロシアンマフィアという構図ができてからはとにかく仲良し。
娘にデレデレな感じがたまらない。
オーダーの仕方すらおぼつかないマックでハンバーガーを頬張る2人が可愛すぎる。
ベベルのクルマ好き
ドロンの銃好き
というパーソナルな趣味もそれぞれの役にバッチリハマってて楽しい。
あるシーンで『ボルサリーノ』の音楽がさり気なく流れてて、パトリス・ルコントの粋な気遣いを感じた。

ヴァネッサ、あの声で歌うロシア語のハッピーバースデーがコケティッシュだったなぁ。

クライマックスではベベルがスタントフリーで派手なカーアクションをしたり、車から縄梯子で上空のヘリまで登るなど、とてもとても65歳とは思えないルパンぶりを発揮!

ラスト3人でNYの病院まで行って検査をし、どちらが本当の父親かが判明する。
セントラルパークのベンチでそわそわしまくる2人もまた可愛くて。

エンドクレジットで流れるオフショットもおどけたり笑顔たっぷりで2人の素の仲良し度が伝わってくるし、ベルモンド亡き今だからなんだか泣けてくる。


p.s.アラン米寿おめでとう♡
KANA

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