カルダモン

誰が私を殺したか?のカルダモンのレビュー・感想・評価

誰が私を殺したか?(1964年製作の映画)
4.4
『何がジェーンに起こったか』に続いてベティ・デイヴィスによる姉妹サスペンス。ずいぶん前に録画したものをようやく観賞。

小さなバーを経営しながら借金に苦しむ双子の姉イーディスと、富豪の男フランクと結婚した妹マーガレット。フランクとイーディスはかつて深い関係にあったが、マーガレットに強引に奪われて以降、双子姉妹は長い間音信不通となる。
18年後、双子姉妹はフランクの葬儀で再開するのだが、長きにわたる怨恨を金で解決しようとするマーガレットに対して怒りが沸点に達したイーディスはついに妹を殺害してしまう。イーディスは咄嗟にマーガレットに成り代わることを思いつき、「バーの借金を苦に自殺した」ように見せかけて事件現場を後にする。

物語はここからが本番で、後半にかけてぐんぐんと面白さを増していく。また双子姉妹を一人二役で演じ分けるベティ・デイヴィスが強烈なので目が離せない。同じ容姿を持ちながら、何故こんなにも人生に差が生まれてしまったのか。歳の離れた兄弟以上に、双子がお互いに抱く愛憎の念は深いのかも知れない。

この映画の魅力はベティ・デイヴィスの演技だけに頼ることなく、イーディスの恋人であるボブソン刑事や、マーガレットの愛人トニーの存在がとても大きく関わっており、ラストの顛末に思わず唸ってしまった。そして気付く邦題の上手さ。