mizuki

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカのmizukiのレビュー・感想・評価

4.8
酒も煙草も音楽も、"こよなく愛する"というよりは全部惰性。愛そう!とかじゃなくてもう既に生活の一部。人生の糧とか、生き甲斐とはちょっと違う。これはこれで永遠の愛だよなあ。

何がロックかは全然わからないけど、これはロックだと思う。
ロックを初めて聴いた日に「俺はロッケンローラーだ」って歌ってるの超良かった。目の前の出来事・現象に毎秒向き合ってレスポンスしていくこと、っていうのかな〜、四六時中セッションしてる状態、ロックだな〜って思う。素直さって、やっぱロックさと直結してるのかな。こだわりも従順さも突き通す。尖ったリーゼント(いい髪型)、尖った靴(いい靴)は意地でもやめない。車を運転する時も、そのままじゃアクセルもブレーキも踏めないくらい尖って長い靴絶対脱がない!釘を打って仮留めして乗る。かつ、雑な強行アメリカ横断ツアーなのに誰も脱落しないでただ付いて行くし、玉ねぎを丸のまま渡されたら生で齧るんだよ(この間、切ってる途中にいけるかなって思って水にさらしてない玉ねぎ一口食べたら喉から胃まで焼けるように痛くて死んだ)。その時その時の気分で、気怠く適当に演奏して各方面から「下手くそ、もう二度とくるな」って言われてるのも最高。


一生煙草吸ってるクズ友達と観た。友達、映画観てる途中何度も煙草吸いにベランダ行っててほんとにクズだった。まあわたしも吐くまで飲んじゃうし!時間守れないし(悪いことしちゃってるなっていうのは思う)!今までの人生全て中途半端で何か追求できたことなんてないし!クズですねー。凍死した仲間の棺桶に入った冷えた缶ビール飲んでるシーンとか、最高最高言いながら観るの最高だった。
クズな自分を変えるのってほんと難しいよね〜、変えないでできることをやりたい。惰性で生きるの悪くない。クズでもできることってたぶんあるよねー、底辺をやることとか?品よく気高くもいたいけど、何かを踏み台にして得た品って下品だしね。上とか下とかめんどいんでみんなで最高になりたい。頑張ったことによって人を踏んづけたくない。でもみんなで一緒に上がれるように頑張りたい。
そうは言っても、やっぱ今を生きようとしてる人は一番偉いかもしれない。"いつも前向きな人は成功する"とかそういうきらきら論理は信じてない。楽しい、明るい、が偉い感情だと…?感情に優劣つけるのは、わたしは大嫌いだなあ。今を生きていたら、一生懸命楽しむことだけじゃなくて、一生懸命憎んだり、後ろ向きなことに勤しむこともある。まあ、自分が酷い感情を向けられたら嫌だけど、その人はそう思ったんだから憎しみや殺意を向ける自由は認めたい。"そういうことは思わない方がいいよ"……そう言う人?というか誰かさんのそういう一部分?があるならばわたしは軽蔑しますよ。ていうか既にいっぱいしてる。わたしの中の独断と偏見で。感情の自由は誰にも奪えない〜。この考えだって誰かのこときっと傷つけてる。だからって自分の考えを持つのをやめたりはできないなあ。生きている限り、人を傷つける覚悟をしていたいなと思う。死んだ方が、そりゃ他人には害ないよ。でも生きる。だってクズだもん。
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