Salt

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカのSaltのレビュー・感想・評価

3.8
カウリスマキ作品の登場人物には皆根が無くていい。
片雲の風に誘われて、行く当てもなく路銀でぷらぷら旅に出ていく。
少し憧れてしまう。
フィンランドにもジプシーはいるのか?と思ったが、彼らの存在自体がジプシーと言うか流れ雲なのか。
葬式や結婚式に車のあとをついて演奏する様はまさにジプシーであった。
クストリッツァが好きなので、初めから心を鷲掴みにされてしまった。
フィンランドから押し出されるようにして出てきた彼らだが、多様性の国アメリカでも拒絶され南へ南へ行き、デビューするのは人生何があるか分からないという、いつもの節が炸裂している。
トンガリリーゼントにトンガリ革靴という様相は真面目に観なくていいのだなと安心させてくれた。
今の時代、自分らしく生きるだとか貧困に喘ぐ人々に共感を覚えるような作品が多い。
生活に困窮したら、自分の生き方を変え何とかしてご飯を食べ旅をして、大好きなビールを煽る彼らは見ていて気持ちがいい。
Salt

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