トンガリリーゼントにトンガリシューズの見た目勝負の売れないバンド。一旗揚げるために、活動の場をロシア(?)のド田舎からロックの聖地アメリカへ。北部(ニューヨーク?)から南部テキサスを通過してメキシコへ至るまでのてんやわんやツアーをコミカルに描いたロードムービーでした。
なにより冒頭の納屋での演奏シーンが好き。ハイテンポでワチャワチャと掻き鳴らすロシア民謡風な曲に“つかみはOK”。…でしたが、一番いい演奏を一番前に持って来ちゃった感じもあったかな。
その後、旅芸人のように場末なステージを転々としながらアメリカを南に縦断。演奏曲も行く先々の地域の嗜好に合わせてロック、ブルース、カントリーと変化していきます。
人気のない寂れたアメリカの街並みや場末のバー、煙モクモクの町工場などなど、侘しくて切ない空気に満ち満ちた世界観も大好き。アキ・カウリスマキ監督の他の作品を観てみたくなりました。
間(ま)を効かした笑いは好物ですが、ちょっとベタ過ぎるところもあったかな。