阪本嘉一好子

サイレンスの阪本嘉一好子のネタバレレビュー・内容・結末

サイレンス(1998年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

ホシェー(Tahmineh Normatova)は目が見えないが、耳の発達している少年。だから、感もいい。私は目が見えるから、彼の気づくような音を聞き取ろうともしない。なぜかと言うとまず視覚で反応するから。市井のなかでホシェーは耳を頼りに音楽のでている方向に動き出し、それを知っている友達のナデーレは音楽を聞き取りながら彼を探し出す。 


イランの暗記、書き取り教育はと思って批判しそうになったが、いやいや、他の国の映画らしいと言うことが見ているうちにわかってきた。ペルシャ語のこんにちは。さようならぐらいはわかるが、この映画はなにかちょっと違うと思った。でも、間違いなくモスリム の国だと言うことはわかる。特に、モスリム の原理主義が頭を持ち上げてきた時代だと言うことが。兵士が、女が頭に頭巾を被らないと怒鳴るというところでわかる。ホシェーの父親は出稼ぎ(?)に行ってるらしい。おかしいなイランじゃないと思っているうちに釣り人とホシェーの母親はロシア語?で、そして母親は金を請う。そしたら、ホシェーが弦楽器(名前はしらない)の上手な人を探し当てて彼を楽器工場に連れてきた。この人はコサックのような帽子をかぶっている。若い女性は色鮮やかな衣装をまとっている。これは??言語はダジク語。タジキスタン(前はロシア)の映画だとあとで調べてわかった。この映画は前に一度鑑賞したことがあるが気に留めていなかったせいか、ペルシャ映画という先入観があったせいか、大切なことを見逃してしまっていた。

ホシェーの世界と現実の世界のギャップが大好きである。ホシェーの感性の世界、自分だけの空間があるから、現実の世界(母親、仕事場のボスなど)と合わない。でも、彼の友達ナデーレはさくらんぼをイヤリングの代わりにしたり、爪を花びらを使って染めたりして、 色、創造力のある世界を、ホシェーのようにしっている。子どもの神秘的な想像的なイメージを醸し出す力は監督の範疇のなかからなのか?わたしは全く知らない。