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招かれざる客のpsychocandyのネタバレレビュー・内容・結末

招かれざる客(1967年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

これまた古い名作をBSシネマにて。やはり鉄板の面白さでした。

サンフランシスコの裕福な白人家庭の娘が、旅先で結婚を誓い合った彼をディナーに招くのですが、その彼は黒人でした。さてご両親の反応やいかに。アメリカ社会に根強く残る人種差別問題を真正面から描いた作品です。

アメリカでは差別される側の立場でもあるアジア人にとっては、同じ父親の立場として、白人ジョーイ(娘)の父親に対しても、そして、黒人ジョン(息子)の父親に対しても、どちらにも感情移入できます。いずれにしても、こういう状況において大概取り乱すのは父親の方ですね。それぞれのお母さま方は、自分の子供たちのことを信頼し、堂々としていらっしゃる。実に立派なものです。やはり母親は偉大ですね。

終始あたふたしていて煮え切らなかったお父さまも、最後にはカッコいいところを見せてくれます。ロバート・デ・ニーロ似(?)のスペンサー・トレイシーによる、二人に向けたラストの演説には、同じ父親として、グッとくるものがありました。

ちなみに、プライベートでもスペンサー・トレイシーのパートナー(婚姻関係はない)であったキャサリン・ヘプバーン。不幸にも、本作の撮影が終了した17日後にスペンサー・トレイシーが急逝することになったそうで、それを知ると余計にこのラストの演説シーンは胸に迫ってくるものがあります。

もし、自分にもこんな状況が訪れた時には、劇中のライアン神父のように、子供たちを心から祝福できる素敵な父親でありたいです。とはいえ、もっと現実的なところとして、娘が茶髪で鼻ピアスのチャラい兄ちゃんを連れてきたら、笑顔で受け入れることができそうにない自分がいます…。まだ足りていない、父親としての器…。
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