Rui

招かれざる客のRuiのレビュー・感想・評価

招かれざる客(1967年製作の映画)
4.3
結婚相手として黒人青年を連れて帰ってきた娘と、異人種間結婚に難色を示す白人の両親。ディナーを共にしにやってきた青年の両親も交え、一つ屋根の下、あらゆる人物同士の会話劇が繰り広げられる。

舞台は家の中にほぼ固定されているにも関わらず、物語としてしっかり起伏のあるストーリー。一対一の会話が人を替え場所を替えなされることで、様々な思いが交錯する様子が垣間見える。

差別社会を真っ向からまたは遠回しに批判するという色は強くなく、(無論差別はあってはならないことだが)この社会でいかに両者が納得できる結論に辿り着くか、その一過程を見せてくれた。愛しているからこそ、その者が幸せでいることが自分の幸せだと思えるからこそ苦渋の決断を下せるし、誤解されるリスクも一人で背負える…。紆余曲折を経て、腑に落ちる着地方法ではあった。
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