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招かれざる客の346のレビュー・感想・評価

招かれざる客(1967年製作の映画)
3.9
なるほど。面白い。
世の中には、脚本家が自分のメッセージを登場人物に割り当てただけの安い台詞の映画があるが、この映画は違う。登場人物がみな独立していて、各々の主義主張に沿って議論がなされ、多声的で力強い台詞に満ちている。

だから、最後まで予定調和が生まれないし、予定調和が生まれないことで、結婚を認めてもらおうとする二人の一貫とした主張が真実の縁取りをもって浮かび上がってくるわけで。


それは素晴らしいと思うのだけど。
自分はお父さんの気持ちに肩入れしちゃって、もっと時間を与えてあげてもいいじゃんと普通に不満。
人種の問題というよりも、見知らぬ他人が急に現れて娘さんと結婚させてください。なんて、戸惑って当然だと思うけど。それも出会って2週間って…。

それに、どうしても今決めなきゃいけない理由がわからない。その枷だけが弱すぎる気がするけど。それでもこの映画は普通に名作。
ポワチエは、上品な怒りを表現するのうまいな。カッコイイ。
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