ShinMakita

カラーズ 天使の消えた街のShinMakitaのレビュー・感想・評価

カラーズ 天使の消えた街(1988年製作の映画)
2.2
☆mixi過去レビュー転載計画(刑事・警察洋画編)




〈story〉
1980年代のロサンゼルス。市警察は、ストリートギャングによる犯罪に頭を悩ませていた。600以上の組が存在し、構成員は7万人を越えるというギャングたちを取り締まるのは急務だ。そこで設立されたのがギャング対策班<CRASH>。若手パトロール警官のダニー・マクガバンはここに配属となり、退職間近のベテラン警官ボブ・ホッジスと組むことになる。覆面パトカーを流して日夜巡回の日々のなか、ギャングを見つけては力づくで押さえて逮捕しようとするマクガバンに対し、老獪なホッジスは時に対話や説得で彼らに接して行く。マクガバンはそんなホッジスと意見を対立させるが、ある日、<ブラッド>という組の若者ロバートが射殺される事件が起こった。敵対グループ<クリップス>の犯行なのは明らかだが、目撃者たちは口を閉ざして証言を拒む。苛立つマクガバンだったが、偶然逮捕した<クリップス>のメンバー、ハイトップが、ムショ内で保護と取引に証言を始めた。ロバート殺しの犯人は<クリップス>のリーダー・ロケットだというのだ。この証言を元に、マクガバンとホッジスはロケットの家に踏み込むが、ロケットは不在で、チンピラのキラービーしかいなかった。しかもホッジスの援護に回っていた<CRASH>警官が誤って丸腰のキラービーを射殺してしまう。地下に潜伏していたロケットは、キラービーの復讐のためマクガバン&ホッジスを殺すことを決意、部下に暗殺指令を出すのだった。この情報は、ホッジスに借りがある<21丁目団>のリーダー・フロッグから警察にもたらされ、マクガバンとホッジスは身を警戒するようになるが、フロッグのタレ込みがロケットにバレてしまい、<クリップス>と<21丁目団>の全面抗争が勃発してしまう・・・


➖➖➖
デニス・ホッパーが、見事に破綻なく撮りあげたポリス・バディ映画の佳作。あの傑作「センチュリアン」の後継作で、「エンド・オブ・ウォッチ」の原型とも言える作品でした。アイスTのラップと、ハービー・ハンコックのシンセ音楽に乗せて、当時のギャング風俗がリアルに描かれていました。デュバルの渋さとペン兄貴のカッコ良さは一見の価値あり。ラストは切なかったなあ。

すぐカッとなり、ギャングに暴力を振るうペンを諌める時にデュバルが口にする小話がいいです。

・・・牧場で雌牛が固まっているのを見た雄牛と子牛の会話。
子「パパ、あの雌牛たちの中に走っていって、一匹やっちゃいなよ」
雄牛「いや、ゆっくり近付いて、全部頂いちゃうのさ」

というもの。焦って一人一人ギャングを逮捕するよりも、ソーシャルワーカーなどの力も借りて、ギャングたちに仕事を与えて組を解散させていこうとするデュバルのやり方を喩えているんですね。
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