イロカワ

カラーズ 天使の消えた街のイロカワのレビュー・感想・評価

カラーズ 天使の消えた街(1988年製作の映画)
4.8
 LAのギャング同士の抗争映画に見えるけど、そこには世代間の断絶があらゆるところで示唆されている。
 おっさん達の言葉が全く若者に響かない。「俺たちの時代はこうだったから、同じ過ちを繰り返すな。学校行け。」と警告しているのに若者は耳を貸さない。そして暴力だけが何度も繰り返され、同じように人が死んでいく。
 唯一ショーン・ペンだけはロバート・デュバルの教えを継承し、せめて自分の身だけは守れるように成長できた。しかし、それを後の世代に伝えることは出来ないだろうと暗示される。それにショーン・ペンがまともになっても世界が良くなるわけじゃない。
 継承の失敗。暴力だけが世代と時代を超えてグルグルと繰り返される。アメリカってそういう国だろとデニス・ホッパーが笑っている。ような気がする。
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