Jack05

悪魔を見たのJack05のネタバレレビュー・内容・結末

悪魔を見た(2010年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

サイコパスに妻を殺された捜査官が復讐をする物語。グロ、エロ、バイオレンスがこれでもかというくらい詰め込まれた近年稀に見るタイプの作品。

作品のテーマは復讐だが、そこら辺の復讐作品とはレベルが違う。グロレベルでいうと韓国ドラマグローリーを彷彿とさせるものがあるが、犯人にGPSを仕掛け何回にも分け復讐を行うという設定自体が他の復讐作品と一線を画している。作中にも主人公の「苦しみの絶頂で殺さなければ、本物の復讐とは言えない」というセリフがあるが、このセリフが全てを物語っている。しかし、犯人の「お前は俺から得るものは何もない」という言葉から主人公が感じる無力さ、悲しみは計り知れない。そして復讐の終わり方は人間が考えたと思えないほど残酷で、溜まったフラストレーションをなぜか吹き飛ばすそんな不思議なパワーを持っていた。2回は見たいと思わないが一生に一度は絶対に見た方がいい映画と言えるだろう。ここまでグロい復讐が正当化されてしまうのは、犯人の欲望のままに女性を犯し、食欲のままに食べ物を食い漁り、欲しいものを全て盗む様は巧みに描写されていて視聴者の嫌悪感を限界まで高めていた。だからこそ異常なまでの復讐をどこか応援する気持ちで見ることができたのかもしれない。

映画全体を通して音の使い方にとにかく圧倒された。冒頭犯人が妻に襲いかかるシーンの音使いから始まり、無音と衝撃音を繊細に使いながらストーリーが運ばれていく。特に妻が殺されたと知った主人公の絶望、悲しみ、怒りを絶妙なタイミングの涙と無音で表していたシーンは印象に残った。


展開 関心度speed 0.9
おもしろさ fun 0.7
設定 構成 story 0.9
映像音楽 art 1.0
好みlike 0.7
Jack05

Jack05