ヤマト

悪魔を見たのヤマトのネタバレレビュー・内容・結末

悪魔を見た(2010年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

【 もっとダメージを… 】
 悪魔が悪魔を生む。残忍・狂人なギョンチョル(チェ・ミンシク)らは、もうひとりの新たな怪物を生み出した。スヒョン(イ・ビョンホン)だ。壮絶な復讐の応酬は、とにかくバイオレンスに尽きる。当の本人たちのポイントは、いかにして相手を苦しめるかであった。最愛の妻子を奪われたスヒョンは、簡単にはギョンチョルを仕留めない。徐々に体の機能を奪い、嬲ってゆく様はまさにサイコパスと呼ぶに相応しい。上述のようにギョンチョルもまた異常なサイコパスだ。この展開は映画として最高に面白かった。
 最初のみの登場であったスヒョンの妻、ジュヨン(オ・サナ)がすごく美人であった。このときばかりは、最初だけの登場にしてみせたチェ・ミンシクが憎かった(笑)
 見どころ満載で、レビューするに困らない本作だが、やはりラストシーンは印象深い。そう、スヒョンによる最後の復讐だ。二人の悪魔の表情、セリフ、映像の色合い、シチュエーションのどれもが至高であった。タバコの煙もバッチリ合う。最後の最後、念願の復讐を遂げたスヒョンは号泣していたな。結局のところ、復讐は残酷なまでに虚しい行為だということを言葉なしに教えてくれる。
 そうだ、あとはギョンチョルが下剤でGPSを“下から”出すシーン。すごくリアルで“きったない”シーンだが、映画のシーンとしては決して忘れることのできない美しいカットだ。ここまで見せる心意気に脱帽である。
 とにかく大満足だ。なんというか、作品に携わる人々の魂が宿っている映画だと思う。ワタシは、悪魔を見たのだ。
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