ぱりぱり

復讐するは我にありのぱりぱりのレビュー・感想・評価

復讐するは我にあり(1979年製作の映画)
5.0
強烈なエログロと救いがないストーリーにも関わらず、濃い人間ドラマがその全てを支えていて、この悲惨な世界観にハマってしまいました

いつもは穏和で冷静なのに特に動機もなく殺したいわけでもない人を殺すというサイコパス的な連続殺人事件、でも今見てもとてもリアル
最後から二番目の殺人に関しては何となくどんな衝動が彼をそういう行動に駆り立てたのか分かる気もする
そしてサイコパス殺人犯、榎津巌に対して恐怖も抱くけれど、同時に優しさや温かさも感じる(けれど彼を哀れだとは感じさせない)のが最近にはない描き方であり、緒形拳さんの憑依したような演技はもう無類

敬虔なカトリックである父親に対する憎悪

緒形拳さんはもちろん、三國連太郎さん、倍賞美津子さん、小川眞由美さん、この4人の演技がもう圧巻でした...