はっさくいちご

復讐するは我にありのはっさくいちごのレビュー・感想・評価

復讐するは我にあり(1979年製作の映画)
4.2
30年以上前に観てそれ以来。懐かしいキャストと当時の風俗がザ・昭和。「貸席」「ステッキガール」…等々なんとなく分かるけれど、もはや死語ですよね?

緒形拳は若い頃の毒のある役が特に好きです。この作品は涼しい顔して犯罪を行う殺人鬼の役。優しい笑顔からの鬼気迫る形相にゾクッとする。

お金のために簡単に人を殺し、逃げ続けた挙句死刑となる。基本実話なので、冒頭からネタバレしています。
親が敬虔なクリスチャンであったのが反骨の元凶だったのか?1番憎くて殺したかったのは父親だったのか?父親を苦しめるために罪を犯していったのかさえ思える。

父親役の三國連太郎や妻役の倍賞美津子、愛人役の小川真由美もさすがの演技で惚れ惚れしながらの140分でした。数シーンのみの脇役も豪華。



静岡県浜松市が出てきますが、鰻の養殖場のシーンにハッとした。亡父の実家がまさに鰻の養殖を生業にしていて、子どもの頃、遊びに行くたび家の横にあった養殖池の中から取って捌いたものを家で白焼にして食べるという今から思えばなんとも贅沢なことをしていたので。「弁天島」という地名まで台詞で出てきて個人的に懐かしく、嬉しくなってしまいました。
こんなシーンが心に残るのも歳を取ったせいでしょうね😅

2023.9.30録画