このレビューはネタバレを含みます
時系列が微妙に行ったり来たりするのと,方言?なのか、昔の言葉なのかがあまりよく分からなくて、聞き取るのが難しかったので、見ていてなかなか辛いものがあった。
世代の隔絶を感じてしまうのがとても悔しい。
さて、とても楽しみに見たのだけれど、犯人の狂気というよりも、無鉄砲さというか、金欲しさの安い殺人犯に見えて、(映画的に)魅力的に感じることができず、ただの田舎のはねっかえりが、勢い余って金欲しさに人を殺し、そこから、逃げて、また、殺しを繰り返したというだけで、は人としての強さみたいなものを感じなかった。
それは、浜松のおばあちゃんに臆病なやつ、本当に殺したい奴を殺していない、と言われたところからも明らかだ。
ただ、父親を本当に殺したいと思っていたと思えるほどの描写もなく、そこがもっと丁寧に描かれれば、父親への殺意を持ってしまいながら、どうにも消化できず屈折してしまった殺人鬼として、人間が描けるだろうに、そこが弱いので、親父が怖くて、金欲しくて人殺したとしか見えないのが物足りない。
原作にはそこまでの描写があるのかもしれないが映像としては不十分だった。