リタ

復讐するは我にありのリタのネタバレレビュー・内容・結末

復讐するは我にあり(1979年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

生々しいわぁ。陰湿で気持ちの悪い話。
見応え抜群の凄みのある映画だが、
見なきゃ良かったという気持ちにもなる。


映画でよく見るサイコパスって
やや神格化されているように思う。
なんか清潔感がある人が多いというか。笑
その場合はライトに鑑賞できるんだけど、

この映画は見ていてしんどい。
この主人公は禍々しい。
通った跡まで穢れそうだ。


紳士的で賢く振る舞えるのに
突然子供のように短絡的衝動的に行動することも。

嘘も罪も流れるように熟す。
食べる、寝る、殺す、って感じ。

理屈っぽさはない。
自分に酔っている訳ではない。
殺しを楽しんでいる様子もない。
意外と泥臭くて杜撰。

太陽がいっぱいの主人公も何処かダサかったけど
ちょっと似てるかもしれない。


小さな利益のために命を次々奪うなんて理解出来んが
本人も「あれについてはわからん」って言う笑

自分で自分がコントロール出来ないなんて
随分苦労するんだろうなぁと思った。
でも悲壮感はないよな。
心が空っぽなんだきっと。

何をしてても何とも思ってなさそう。
心ってどうやって芽生えるもんなんだろって考えちゃう。


浜松の宿の家族も、別府の主人公実家も、
出てくる人達はみんな病んでる。疲れ切ってる。

そんな人達の心の隙間に付け入るのが
主人公は上手かったのかな。


このふたつの家の空間が繋がるシーンがあったけど
あれなんだろう?すごく不思議。


実家の父親と嫁にとっては
ハッピーエンドなんだろうか。

主人公が一線を超えたのは二人のせいでもあろうに。
リタ

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