Jimmy

レッズのJimmyのレビュー・感想・評価

レッズ(1981年製作の映画)
3.8
ウォーレン・ベイティが、195分にわたって描きあげた実在したアメリカ人ジャーナリスト兼コミュニスト兼運動家であったジョン・リードの半生の物語。大作。

1981年のアカデミー賞で12部門ノミネートされ、監督賞(ベイティ)&助演女優賞(モーリン・ステイプルトン)&撮影賞(ヴィットリオ・ストラーロ)が受賞。
ウォーレン・ベイティは、プロデューサー、監督、脚本、主演と気合いが入っていたので、さぞや嬉しかったのではないだろうか。

自分が学生時代に観た時は、3時間15分のこの映画、内容がよく理解できず、全く面白くないと思った。
その理由が、この映画を久しぶりに再び観て、なんとなく判った気がする。
まず、どちらかと言うと叙事詩的な映画であり、ロシア革命などを描いているにも拘らず、「登場人物の行動理念は映像と科白から読み取れ」的であるのだ。唯一参考になるのは、時々表記される「年号と場所」ぐらいか…。

また、時々挿入される(当時を実際に経験してきたと思われる)老人たちのインタビューから、当時のジョン・リード、彼の伴侶的存在だったルイーズ・ブライアントなどについて語られるのだが、老人たちの発言は各人の主観的発言であり、必ずしも客観的表現になってはいないことも、物語を判りづらくしている一因という気がする。

さて、肝心の物語は、ジャーナリスト等であるジョン・リード(ウォーレン・ベイティ)と、フェミニストの作家であるルイーズ・ブライアント(ダイアン・キートン)の恋愛物語が、ロシア革命を背景にして描かれる。
ルイーズ・ブライアントは「自由恋愛」をモットーとしているので、ジョン・リードとも知り合いの男=ユージン・オニール(ジャック・ニコルソン)とも肉体関係を持ったりする。しかし、ジョン・リードが複数女性と関係したと話すとブチ切れるルイーズ・ブライアントの姿を見て、「自分は自由恋愛なのに、相手の男は自由恋愛しては駄目なのか?」という疑問が湧く。

ロシア革命の実際の歴史に関する知識が、自分には乏しいので、見たままを「そういう事実があったのか…」と思うしかないが、以前チャン・イーモウ監督作品を立て続けに観ていた時に文化大革命(文革)を勉強してみたように、ロシア革命の背景に関する著書を読んでみようと思ったりする気にさせてくれる映画だった。
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