マーくんパパ

影なき殺人のマーくんパパのレビュー・感想・評価

影なき殺人(1947年製作の映画)
3.3
圧力に屈せず法の正義を守り冤罪を回避した検事の実話。コネチカット州の平和な街で皆から愛されている神父が夜散歩の途中で何者かに撃ち殺される事件が起こる。何人もの目撃者がいたのに一向に事件は解決しない、選挙の近い野党や市民からは行政の無能を糾弾する声が日増しに高まる。1人の容疑者が捕まる、弾丸が同じ形の銃を所持していたのと目撃者全員が犯人と証言、容疑者も長時間の拘束で自供調書を書いたため起訴される。担当検事(D.アンドリュー)には警察からの早期有罪判決での結審プレッシャーや引き換えに州知事のご褒美、妻の不正疑惑などをちらつかせ幕引きを急かす。普通は起訴されると立件目指す検事と擁護する被告人弁護士との丁々発止の戦いが定石だが、本作は検事が起訴待った!をかける。このアメリカ裁判の仕組みが今ひとつ違和感禁じ得なかった。一つ一つの証拠を反証していくプロットは後年の名作『十二人の怒れる男』と同じカタルシス味わえたけど。