Jimmy

影なき殺人のJimmyのレビュー・感想・評価

影なき殺人(1947年製作の映画)
2.8
エリア・カザン監督が、実話に基づく殺人事件を実際の現場と(可能な限り)実際の人物などによって作り上げた事件を再現した映画。
主役のダナ・アンドリュースなどの俳優は、実際の事件関係者ではないだろうが、かなりリアルな作りになっていた。
昨年(2018年)、クリント・イーストウッド監督が『15時17分、パリ行き』で実際に事件関与した人を起用していたが、70年も前に同じような発想でエリア・カザンが映画を作っていたことに驚いた!

この映画、冒頭が凄い!
夜の町を神父が微笑ましく近隣の人々に声をかけながら歩いていて、神父が立ち止った時に、スクリーン右側から神父の首の至近距離に拳銃が向けられて、神父が殺される場面。
始まってすぐに、こんなショッキングな映像を映し出すE・カザン監督のセンス光る。

ただ、町中とはいえ、夜暗いところでの殺人であり、目撃者として7人が名乗りでるが、証言がイマイチ信じられない感じ。
一方の犯人は、顔を見せることなく、疾走して逃げ去る。
ただ、わかっているのは「黒いコートを着ていて、白い帽子をかぶっていた男」ということだけ。
その事実を警察が発表すると、「黒いコート着て、白い帽子の男がいる」という電話や通報が警察に寄せられて、「黒コート&白い帽子の男」が大量に確保される。これ、魔女狩りみたいで恐ろしい。

そのうち、一人の青年が重要参考人として逮捕されるのだが……。

……と、なかなか面白そうな序盤で始まったのだが、検察官ダナ・アンドリュースの見事な弁論もクライマックスではあったものの、観終わってモヤモヤした気分になるのが残念だった。

やはり、殺人事件などを扱うサスペンス映画などは、最後はスッキリしたいものだと思う。
悪くはないが、やはり惜しい。
Jimmy

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