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影なき殺人のnekosukiのレビュー・感想・評価

影なき殺人(1947年製作の映画)
3.8
身に覚えのない殺人事件の容疑者にされてしまい、全ての証拠は彼が犯人だと告げていた。揺るぎない自信のもとに警察は彼を逮捕し締め付ける。睡魔に襲われ自白調書にサインまでしてしまう絶体絶命の危機に対処法も見つからない。

映画を観て、誰もが冤罪の被害者になり得るのだと思ってゾッとした。
犯人を見たと言う目撃証言はアテにならないし、正当なアリバイも思いつかない極限状態は苦しい。

劇中、容疑者と面会した検事が抱いたかすかな疑問から、もしかしたらが重なって絡み合った糸がほどけていく。
本来なら犯罪を立証する敵方の検事が証拠の矛盾を正し、彼の無罪を証明する意外な展開が新鮮に感じた。

70年以上も前に実話をもとに作られた作品であることに驚かされた。
何事も疑ってかかることが冤罪を防ぐセオリーなのだろう。
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