ちゃみろー

影なき殺人のちゃみろーのレビュー・感想・評価

影なき殺人(1947年製作の映画)
3.6
戦前に起こった冤罪事件の実話をドラマ化した社会派サスペンス。地域住民に愛されていた神父が殺された事件が町を秘密国家状態にして、市民の疑心暗鬼と憎悪が殺害日に街を出た余所者を犯人に仕立て上げていく。こういうテーマのスリラーって後味の悪い結末を迎えそうなんだけど、本作は被告を告発する側の地方検事が、検証によって街の住民の「冤罪シフト」を崩していく法廷ミステリに転調し、最終的には「アメリカの良心」を体現する逸話へと収束していく。エリア・カザン監督らしい硬派で丁寧な場面作りはいいんだけど、終盤の弾丸を入れた銃を被告にわざと撃たせるシーンがあざといなと思ってしまった。
2017.9.3 DVD(字幕)
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