こいももか

男はつらいよ 寅次郎恋歌のこいももかのレビュー・感想・評価

男はつらいよ 寅次郎恋歌(1971年製作の映画)
3.2
安定の展開。 

岡山の備中高梁の親戚に会いに行く前半。

中に、親戚づきあいのややこしさも描かれていて、その中で遠慮なく頑固な大学教授上がりの博の父に話しかける寅さん。
志村喬さん演じるりんどうの花咲くあったかい家庭の話をして、寅さんに「人は1人では生きていけない。運命に逆らっちゃあいけないよ。わかるかい?地に足つけて生きて」と伝える場面は見ものでした。

転校でなかなか馴染めないヒロインの息子に遊びを教えて子供たちと打ち解けさせる姿など、他者との関わりをしなくなってきた今の時代に、あの頃ってそうだったのかなぁと考える機会でもありました。


ただ今回、ふられた決定的なきっかけってあったのか、よくわからなかった。
ヒロインの家にいって、なんかできることないか言っていったら、嬉しいわと言われながらもお願いすることはないと言われたことなんだろうけど。
他のことにはグイグイ踏み込んでいくのに好きな人にはグイグイ踏み込んでいけないんですね。

前半の傑作と言われるけど、ピンとこなかったんです。だけど、志らくの解説で、
これはマニアの中で一番だという人もいるらしい。これは大人のドラマだ。大人は大事なことを言葉にしない、それを描いていると解説うけて、なんとなく、納得。

どちらにしても、他者との関係が濃い昭和時代。
いいこともやっかいなこともあるけど、人付き合いで人は成長しますよね。それは、感じたシリーズでした。
おいちゃんの中で母が一番好きな、森川信さんのさいごの作品。おいちゃん、いい味だしてますね^ - ^