御朱印帳

ロボコップ3の御朱印帳のレビュー・感想・評価

ロボコップ3(1992年製作の映画)
3.0
頭の中にテーマ曲が流れてロボコップを無性に観たくなって鑑賞。

舞台は年代不詳のデトロイト、カネミツに買収されたオムニ社はデルタシティという構想を掲げ、再開発を進め、リハッブという特殊部隊により住民を強引に追い出す。
ロボコップことマーフィーは3では最初から警察に馴染み、人間の心を前面に出す。危うく過去の記憶を消されそうになるがラザラス博士が命令を無視して難を逃れる。

ロボコップ3というよりは、ニコという天才少女とリハツブに立ち向かうバーサが主人公のよう。
冒頭のデルタシテイのCMの嘘っぽさがその構想のいかがわしさを感じさせ、リハッブが住民をバスに乗せる光景はナチスがユダヤ人を列車で護送するのを想起させる。人間型アンドロイド、オートモの妙な動きもオムニ社のチープさを強調しているよう。
銃撃戦の中に、ロボコップのマイペースの緩い動きが今から見ると何ともユーモラス。
リハツブの指示には従わずに住民と一緒に立ち向かう警察官達の姿がこの映画の一つのメッセージ。

カネミツやオオトモの映し方でアメリカ人から見た1980〜90年代当時の日本人像がわかるが、カネミツも最後は住民を守るために戦ったロボコップに日本人式の礼で頭を下げて敬意を示す。
以前に鑑賞したか否か記憶が曖昧でしたが、このシーンが記憶に残っておりました。

シリーズ1、2を通して見ないと面白さは半減するので、このロボコップ3は興行的にはコケたようですが、ロボットの中に組み込まれた人間の感情により家族、友情、任務、正義で苦悩する姿を敢えて子供向けとも思える単純さで描き、最近、ロボコップがリメイクされたのは何となく理解できます。

架空の都市ではなく、実在する都市を舞台にするのは、1980年代にどん底だつたデトロイトに対する応援歌だつたのかも。
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