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ある殺し屋の鍵のcatmanのレビュー・感想・評価

ある殺し屋の鍵(1967年製作の映画)
3.9
1967年公開。大映のハードボイルドなシリーズ2/2作目。確かに面白いんだけど、設定や物語の展開にやや強引さが目立つ。前作の公開から1年も経っていないところを見ると、プログラムピクチャーとはいえかなり性急に作られたのでは。普通なら一番のハイライトとして描かれるはずの暗殺シーンがなんともアッサリし過ぎているし、主人公が大切な場面でうっかり鍵をポロッと落として慌てて拾いに戻るシーンの間抜けさだったり、コインロッカーのセットのチープ感だったり、所々の雑な作りが気になってしまう。前作が非常によく練られた構成と優れたロケーションだっただけに惜しい。
主演の雷蔵は安定感バツグン(だけど痩せ過ぎていて心配になる)。普段は日舞の師匠で裏の顔は凄腕の殺し屋という無口でニヒルなキャラクターはドンピシャのハマり役。いわゆる峰不二子のポジションで物語の鍵を握るヒロイン佐藤友美も魅力的。彼女が本作のMVP。西村晃も山形勲も流石の存在感。撮影も見事で印象的なショットが幾つも。劇伴も相変わらずCOOL
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