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真昼の暗黒のnanaのレビュー・感想・評価

真昼の暗黒(1956年製作の映画)
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実際の事件をもとにした映画ですが、まだ事件に決着がついていない、裁判中の時点で公開されたという驚き。
当時の世評とか、その空気感も知りたくなります。
終わり方がなかなか凄いですが、もとの事件が結局どうなったかを知ったうえでラストを観るとより凄みがあります。

硬派な社会派作品、特に後半は裁判シーンが長く続くものの、観客に飽きさせない、興味をもって前のめりにさせる作りになっています。
犯行シーンの再現では、裁判の傍聴人・映画の観客にも分かる矛盾点をコミカルに弁護側が指摘。
実際に劇場でも笑いが起こっていました。

権力を持った者は、大義があればどんなことだってやる。
そして、一度決めつけたことはどんな矛盾があっても絶対に撤回してくれない。
「こちらが間違っていました、ごめんなさい」「見直してみます」が言えない。
私たち市民は、それにどう立ち向かえばいいのだろうか。
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